以前、ロストワックス精密鋳造の話を書きましたが、今回は「鍛造」の話を書いていきます。
金属をある程度の形にするには、大きく分けて「鋳造」と「鍛造」の2つの方法があります。
板状、棒状、管状のものであれば圧延など別の方法となりますが、ここでは塊状のものを対象として説明します。
鋳造、鍛造いずれの方法も細かい成形はできない(特に鍛造)ため、鋳造あるいは鍛造である程度の形にした後、
弊社で行っているように切削加工を施して本来求める形にします。
まず鋳造についてですが、型をつくっておいて材料となる金属を溶かして流し込み、金属が冷えて固まると、
求めていた形となります。
溶かしたチョコレートを型に流し込んで、冷えて固まるのを待つのと同じですね。
以前ここに書いた「ロストワックス精密鋳造」も、この鋳造の一種です。
一方、鍛造はどのように成形するかと言うと「叩いて」成形します。
テレビで一度はご覧になったことがあると思いますが、真っ赤になった鋼をトンカチ(鎚)で叩いて日本刀をつくる刀鍛冶も鍛造です。
(ただし日本刀づくりで叩くのは、不純物を取り除いたり、層を形成させたりと成形以外の目的もあって叩いていますが)


ではそれぞれの相対的な長所、短所をみてみましょう。

このように書くと「大量生産品は鋳造」という感じがしてしまいますが、エンジン部品など強度が必要なものは、
大量生産であっても鍛造で造られます。
熊倉製作所でも油圧機器の部品など様々な鍛造品の切削加工を多く請け負っています。

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